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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第11章 たえまなく過去に押し戻されながら






窓から外を見ると高速道路にヘリが一機着陸し、中から端正な顔立ちの金髪男性を筆頭に、男がもう一人とゆるく結った赤毛の三つ編みの少女がヘリから降りて来た。


組合・団長
フランシス・F
異能力ーー華麗なるフィッツジェラルド

組合・従弟
ルーシー・M
異能力ーー深淵の赤毛のアン





◆ ◆ ◆





致し方なく、高速道路にヘリを停める何とも非常識な客人を社長室へ通す。
一応、客様であるため、香織とナオミで渋々お茶を出す。

「会えてとても嬉しいよ、プレジデントフクナ−−フクダ? 」

「…福沢」

「それだ!所でヘリを道路に停めさせたが、まずかったかな?」

「外国の方が、遠路はるばるご苦労でしたな。して、要件は」

「俺のとこはフランシスと呼んでくれ。北米本国『組合』と云う寄合を束ねている」

「フランシス殿、貴君は懸賞金でマフィアを唆し、我らを襲撃させたとの報が有るが、誠か?」

福沢の問いに組合の団長は悪びれることも無く笑う。

「あれは過ちだったよ、まさかこの国の非合法組織があれほど役立たずとは!謝罪に良い商談を持ってきた。此処は悪くない会社だし、街並みも美しい。この会社を買いたい」

机の上にアタッシュケースを置き中を開くと、米札の束がケースを埋めていた。
だが本人は社屋にも社員にも興味は無いと言う。
あるのは一つだけだ。

「そうだ、『異能開業許可証』をよこせ」

この国で異能者の集まりが合法的に開業する為に必要な、内務省異能特務課が発行する許可証。
だが、特務課は表向きには無いことになっている秘密組織、故に金で買収できる訳がない。
特務課を敵に回さず大手を振ってこの街で『捜し物』をする為にその許可証が欲しいと言う申し出をされた。






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