【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第10章 平穏じゃない日
指招きをする中也に太宰は不敵な笑みを浮かべる。
「中也、君が私の計画を阻止?冗談だろ?」
中也も笑みを浮かべる。
「良い展開になって来たじゃねぇか!」
中也の連続を突き、太宰は中也の腕を掴まえる。
「!」
太宰は中也の腹に猛烈な一撃を見舞う。
「何だそのパンチ」
「!」
中也の蹴りでふっ飛ばされる太宰。
「マッサージにもなりゃしねぇ」
「……」
座り込んでいる太宰。
「立てよ、パーティーは始まったばかりだぜ」
「流石はマフィアきっての体術使い」
太宰は跳ね起き、体を伸ばす。
聞いている様子は無い。
「ガードした腕がもげるかと思ったよ」
「……」
「君とは長い付き合いだ、手間も間合いも動きの癖も完全に把握している、でなきゃ相棒は務まらない………だろ?」
中也が太宰の間合いに飛び込み、連続攻撃をする。
「だったらこの攻撃も読まれてるんだろうなあ!パンチってのはなあ!こうやって打つんだよ!」
太宰のボディに中也は猛烈な一撃を見舞う。
「!」
「動きが読める程度で勝てる相手と思ったか?」
中也はナイフを取り出す。
「終いだ……最後に教えろ」
中也はナイフを突きつける。
「態と捕まったのは何故だ……ここで何を待っていた」
「目的は2つ−−一番は敦君についてだ」
「敦?」
「君達がご執心の人虎さ、彼の為に70億の賞金を懸けた御大尽が誰なのか知りたくてね」
「身を危険に晒してまで?泣かせる話じゃねぇか……と言いたいが、その結果がこのザマじゃあな、麒麟も老いぬれば駑馬に劣るってか?」