【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第9章 入社試験
花屋で花を買い、香織は墓地へ向かった。
賑やかな街から少し離れた教会が管理するこじんまりとした墓地、その周りには緑が生い茂っている。
(空気が澄んでいて、落ち着く)
何気に鼻歌を歌いながら母の墓石へと向かっていると、前から一人の男性が歩いてくる。
(珍しい、ここでお墓参りしている人を見るのは初めてかも)
そう思いながら男性とすれ違う。
◆ ◆ ◆
「ようやくお目にかかりましたね、如月香織さん」
すれ違った後、男性がボソリと呟いたのを香織には聞こえなかった。