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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第9章 入社試験






休日の武装探偵社事務室では、物騒なことになっている。
手にはリモコン、虚ろな目をした赤毛の少年の傍には人質の制服姿の女子と爆弾に今にもスイッチを押さんばかりの状況である。

「もう嫌だ……全部お前等の所為だ、武装探偵社が悪いんだ!社長は何処だ、早く出せ!‥‥でないと、爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ!」

狂気的に叫ぶ赤毛の少年。
その様子を太宰、国木田、敦、香織が覗き見る。

「怨恨だ。犯人は探偵社に恨みがあって、社長に会わせないと爆破するぞ、と」

「うちは色んな処から恨み買うからねぇ」

国木田の説明に頷く太宰。

「あれ、高性能爆薬だ。この部屋くらいは吹き飛んじゃうね。爆弾に何か被せて爆風を抑えるって手もあるけど、この状態じゃなぁ」

「会わせてあげたら?社長に」

「殺そうとするに決まってるだろ!それに社長は出張だ」

「国木田さん、音量下げないとバレるよ」

作戦は振り出しに戻った。

「となると、人質をどうにかしないと」

太宰はちらりと制服姿の女子を見た。
太宰、国木田、香織は一度見たが、直ぐにお互いに向かいあった。

「太宰、如月、覚悟はいいな」

「いつでも来なよ、国木田君」

「覚悟は出来てる」

構える太宰と国木田と香織。
真剣に見つめ合い、勝負をする。

「「「じゃんけんポン!」」」

「「「ポン!」」」

「「「ポン!」」」

じゃん拳勝負の結果、国木田が負けた。
勝利に得意げに笑う太宰、負けて震える国木田、国木田を慰める香織。
爆弾魔と対峙しているとは思えない光景がそこにあった。
じゃん拳で勝った太宰はにこりと国木田を誘導する。
その様子を敦と香織は見ていた。

「おい、落ち着け少年」

国木田は爆弾魔にゆっくりと歩み寄る。

「来るなァ!吹き飛ばすよ!」

爆弾魔はリモコンをチラつかせた。
流石の国木田も両手を上げ、無抵抗の意思を見せる。



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