【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第2章 出逢いは突然で
「あっ太宰君ってぇ、何処から来たの〜?」
「へぶっ」
クラスのマドンナである高城さんの手が私の体を押して危うく私は落ちそうになった。
「ちょっ」
咄嗟に朱美の机の角を必死に握り、落ちずに済んだがマジで危なかった。
「あれ〜柳瀬さんいたんだ!ごめんねぇ?」
高城さんの甘ったるいわざとらしい声が聞こえる。
気持ち悪い‥‥彼女は謝っているが謝れば済むだけのことじゃない。
まぁそれが分からなくても無理はないと思う。
彼女はファッション会社の社長娘、甘やかされて育ったのだろうと感じ取れる。
「ところでぇ〜太宰君と話したいからそこ退いてくれる?私達、友達だよね?」
「一体いつから友達になったんだよ」と言いかけそうになるのを飲み込む。
勿論彼女とは友達ではないしなる気もない。
もし私の友達というのであればこんな嗚咽が出ることはしない。
頼みの綱である朱美は委員会に呼び出されて今はいない。
とにかく視線が煩かったから席を退いた。
「うっわ、人集りすごっ」
廊下では転校生を見たいという他クラスが隣とうちのクラスに押し寄せてくる。
なんとか隣クラスの入口まで辿り着き、中を除くと太宰君と同じくイケメンの男子生徒がいて、彼が転校生だとすぐに分かった。
そしてチャイムが鳴ってしまい、急いで教室に戻った。