• テキストサイズ

【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第7章 新たな旅立ち







それから2年後。
その日は桜が満開の季節で校庭を囲い込むかのように満開の桜が咲いている。
今日、香織の高校では卒業式が行われていた。

「はーい、みんな笑って笑って!はい、ポーズ」

カシャリとカメラのシャッター音があちこちで聞こえる。

「香織、写真とろ!」

「うん!」

写真を取り終わり、ポケットにあるスマホを取り出そうとするがそこには何もない。

「あっ‥‥」

「どうしたの?」

「携帯、教室に忘れてきちゃった」

「早く行きなよ」

「ごめん!」

急いで教室に辿り着いて、机の中を覗くと携帯があって安堵する。
携帯を握りしめて、廊下に出ると見覚えのある姿に思わず声を出す。

「な、なんで」

この季節には暑いであろう黒いコートを着た人が香織に振り向く。

「太宰君!?」

「やぁ」

香織は太宰に駆け寄る。

「マフィアは!?仕事は!?大丈夫なの!?」

「大丈夫だから落ち着き給え」

「本当に?」

「嗚呼、香織の卒業式が今日だって聞いたから顔を見たくてね」

「そっか、じゃあ太宰君も今日卒業だね」

「え?」

香織の言葉に太宰は首を傾げる。

「だって太宰君も通ってたし」

「確かに」

香織はひらめいたように携帯の画面を開く。





/ 309ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp