【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第6章 災いを呼ぶ者に終焉を
「で、本当にやるのか?」
「だって的大きいし」
「デカイし」
「私、中也君の汚濁見てみたいし」
「おい、最後の理由はいらねぇだろ!」
仕方ないという感じで中也は汚濁をやることにする。
最終形態の汚濁を発動させることで圧倒的な身体能力と小型のブラックホールを出現させて投げつけるといったことが可能になるが、目につくものを無差別に攻撃する暴走状態に陥ってしまう。
また、自分が死ぬまで汚濁状態は続くため、太宰の異能無効化能力がなければ止まれない。
「じゃ、ボクはあのベト○ターみたいなErrorの気を引いてるから早くしてよね」
唯斗は鎌を手に持ち、Errorに向かった。
「おい、太宰。手間に俺の命がかかってるからな」
「言われなくとも分かってる」
「頑張って中也君!」
「汝、陰鬱なる汚濁の許容よ、更めてわれを目覚ますことなかれ」
身体の中心から湧き出るように赤い痣が中也の躰を覆っていく。
先から黒が侵食していく。
一歩踏み出すと地面は砕かれ、砕かれた破片は巻き上げられ中也に纏わりつく。
「あれが中也君の本当の姿‥‥」
中也は巨大な塊に突っ込んで行き、両手に宿した重力子弾を容赦なく打つけた。
中也の攻撃は当たっている。
その度に塊は一度小さくなるが直ぐに大きさが戻る。
「こりゃすごい」
役目を終えて、撤退した唯斗が香織の隣で驚く。
しばらく見ていると中也の鼻や口からは血が溢れ始めた。
「中也君!」
「中也の攻撃を受けても尚、倒れる気配がないね」
「でも、ダメージは受けてる。ボクの血は不老不死でもないし」
「じゃあ何で!?」
「恐らく亜鬼薬に少し加工をしたと思うよ、僕達が相手をしていたErrorより状態が異常だ」
中也の足が地面に着いた時、太宰は背後から中也の肩を掴む。
「もう休め、中也」
太宰は異能を使って中也の汚濁を止める。
中也の身体が倒れそうになるが香織が抱きとめて、床に寝かせる。