【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第6章 災いを呼ぶ者に終焉を
そして、運命の日。
香織は一人で夜の体育館に向かう。
「柳瀬和雄」
体育館に着くと柳瀬和雄がいた。
「香織、君の返事を聞こう。この父と一緒に来てくれるね?」
微笑みながら言う和雄に香織は寒気がする。
「行かない」
香織の答えに和雄は怒りを露わにする。
「なぜだ!?この私が頂点となれば裕福に暮らせる!欲しい物は手に入り、私は功績を残し、後の世まで名を残せることだって出来る!」
何だこの小学生低学年みたいな答え方は‥‥
ここまで頭が狂ってるとは思わなかった。
「そんなのいらない。大体私を利用して成果を上げていたわけでしょ?そんな人が後の世まで名を残す?」
「私はね、柳瀬和雄‥‥あなたは私の大切な人を奪った。無知は愚かだよね、私はそんな人を父って呼んでた。でもそんな私に唯一の救いがあった」
「それはね、『あなたとは血の繋がりがないってこと』」
「太宰君、中也君‥‥後は任せる」
香織の後ろから太宰と中也が現れる。
ここに来る前に香織は森、太宰、中也に和雄と会ったことを話した。
太宰と中也には近くで隠れてもらっていた。
「言いたいことは言えたかい?」
「良いのかよ、俺達に任せて」