【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第2章 出逢いは突然で
「それじゃ、ホームルームを始めるぞ〜」
朝の職員会議を終えた担任−−−小黒先生が出席確認を取る
いつもはそうだったが今日は別の話があるらしい。
「その前にお前たちが大好きな転校生だ。」
にっと小黒先生が笑みを浮かべながら云うとクラスメイトたちはガヤガヤと騒ぐ。
女子はどんなイケメンが来るだとか、男子はどんなかわいい子が来るかで大騒ぎ。
「転校生ってどんな人かしら?」
後ろの席に座っている友人が話かけてきた。
正直言って、そんなことだろうなと予想が当たった。
すぐ分かる現象にクラスメイトや友人は気付いていないようだ。
隣の席に座っていた男子生徒は親の都合で転校したのにも関わらず机と椅子を外していない。
つまり転校生が来るということだ。
流石に時期までは分からなかったが。
「問題児でなければいいけど。」
「それはそうね。」
うんうんと頷く友人を見ていたが小黒先生が「静かに!」と怒る。
突然、隣のクラスから複数の女子の悲鳴が聞こえてきた。
クラス一同何事かと思いながらも大人しく静かにする。
小黒先生には先程の悲鳴が分かっているのか、そのまま進めた。
「ま、まぁ改めて‥‥入って来い。」
そして教室のドアがガラリと音を立てて開いた。
入って来た人を見た一部の女子たちが黄色い悲鳴をあげる。
そんな女子たちとは裏腹に男子は女子ではなかったことにガッカリしていた。
「きゃーイケメン!」
「ここのクラスで良かったわぁ!!」
四方八方から声が聞こえてくる。
確かにイケメンかと言われればイケメンだと思う。
興味は無いがモテそうな感じがある。
「静かに!」
小黒先生が二度目の注意をすると女子も男子も黙る。
「自己紹介を。」
小黒先生の言葉を聞いた男子生徒は黒板に自分の名前を書く。
女子たちはイケメン男子生徒の名前を覚えようと必死に黒板を見る。
「太宰治です、よろしくね。」
にこっとサービス付きの笑顔をされた後の女子たちの悲鳴を例えるなら某ディ○ニーシーのホーン○ッドマンション並のものだった。