【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第30章 Final Stage Ⅲ 〜宿命の斬光、桜は血に咲く〜
「援護は任せなさい!」
美鈴は瓦礫の上から、舞い踊るように飛び、異能を空間ごとぶつける。
福地の剣が、舞い落ちる花弁を次々に斬り払っていく。
爆音と衝撃−−−黒と白が交錯し、桜が宙を舞い、地を裂く一閃が飛び交う。
福地は二人と戦っているのにも関わらず、美鈴に攻撃を仕掛ける。
「!?」
美鈴の前に突如、紅黒の斬撃が出現する。
雨御前によって召喚された、神刀の一閃だ。
「まずは面倒な私を潰そうって訳ね」
美鈴は即座に構え、桜の花びらが盾のように舞い上がる。
「生憎、私の異能は防御にも使えるのよ、『守護天華』」
美鈴は桜を使って防御をするつもりだ。
(待って、福地さんの異能は『武器の性能を百倍にする』能力)
防御してしまえば突破され、刀が身体に触れられてしまう。
「だめ!防御しちゃ!!」
舞い踊る桜が、厚い花の壁となり斬撃を受け止めるが香織の絶叫と共に、美鈴の体が突き飛ばされる。
その瞬間、桜の盾が爆ぜる。
防御ごと福地の一撃が突破していた。
「なっ!私の『守護天華』が破られた!?」
美鈴が血の気を失ったように呆然とする。
香織は美鈴を庇うように立ち上がりながら、鋭く言い放つ。