【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第30章 Final Stage Ⅲ 〜宿命の斬光、桜は血に咲く〜
「我が宿敵‥‥」
倒れている福地をブラムは見つめている。
「む‥‥?」
ドクンとブラムは何かを感じる。
そして、すぐに察した。
「そういうことか」
「ブラちゃん、どしたん?」
ブラムの隣にいる文が首を傾げる。
「我が姫、逃げよ」
ブラムは文を突き飛ばしたのと同時に顔が剥がれ、フョードルの顔になる。
「おはようございます」
突然現れたフョードルを福沢が斬ろうと動くがフョードルは手に持っていたブラムを封印していた剣−−−聖十字剣で倒れている福地の首に刃先を近付ける。
「おっと、動かないで下さい。彼を殺しますよ」
「ぐっ」
福沢は何も出来ない。
まだ息がある福地が途切れ途切れになりながら言葉を出す。
「構‥‥うな、討て!頼む‥‥ 燁子君‥‥君ならば‥‥」
福地の頼みにフョードルを殺そうと大倉が動いた。
「動くのですか、では遠慮なく」
「そして」
いつの間にかフョードルの手に雨御前が握られていた。
「駄目だ!その剣だけは刺させるな!」
傷を負いながらも乱歩がが叫ぶように言う。
「右手なる『聖十字剣ソルズレヴ二』、左手なる『神刀・雨御前』。二振りの神刀よ、ここに奇跡を顕せ」
今、この場には三つの『究極』が揃ってしまっている。
神が宿るとされている時空剣、異能と人体を融合させ操る聖十字剣、そして『武器の性能を百倍にする』能力。
それらが融合した時、『三極の特異点』が起きる。