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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第30章 Final Stage Ⅲ 〜宿命の斬光、桜は血に咲く〜







ムルソーの建物の中、太宰が無造作に床へゴロンと転がり、背中を何度も左右に揺らしながら天井を見つめる。

「悩む時、床転がる癖やめろ太宰。そりゃ、シグマが目覚めない理由は分からねぇが」

中也が腕を組んで、呆れたように足先で太宰の脇腹を軽く小突く。

「シグマ君が目覚めない理由は分かってる」

「情報不可だ。異能で過大な記憶情報が流入した場合、情報整理の為に脳が意識を落とす。‥‥となると、ドストエフスキーは記憶を態と読ませた?何故そんな事を−−−」

太宰はハッと目を見開くと、床を蹴って勢いよく身体を起こす。

「自分の異能を偽装する為か?」

埃を払う間もなく、指を宙に泳がせながら一気に言葉を吐き出す。

「『共食い』の最後で我々に見せた異能は偽装の可能性がある。あれは予め身体にホーソーンの血液弾を仕込んでおき、触れた兵士に血液を移して体内から破壊させたのだろう」

立ち上がった太宰がゆっくり歩きながら憶測を口にする。






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