【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第27章 𝕃𝕠𝕤𝕥 𝕋𝕚𝕞𝕖 〜刹那の奇跡と儚い懐慕〜
「君、簡単に言っているが---」
反論する太宰の言葉を打ち消すかのようにアナザー香織がやけくそ気味に言う。
「ごちゃごちゃ言わない!私は私が望む結末を選ぶんだから」
「そんなキャラだっけ?」
あまりの横暴さに太宰は引いた。
今更何を言うのかとアナザー香織は笑みを向けて太宰に言った。
「治君が知らなかっただけで私はこういうキャラだよ、まぁそれは置いておいて私の提案はどう?」
「悪くないが出来るのかい?」
さっきまでめちゃくちゃなことを言っていた太宰は一体、何処に行ったのか。
香織は覚悟を決めたようにはっきりとした言葉を口にする。
「出来る出来ないの問題じゃない、やるしかないんだよ。三人以上知ると世界が崩壊するならその上限を変えればいい」
アナザー香織は深呼吸をしてからゆっくりと目を閉じる。
(これが私が描くハッピーエンドへの道‥‥さぁ、物語を綴ろう)
何が正解で不正解かは判断出来ない。
答えのない問を突き付けられたアナザー香織の回答は今この時、唱える。
「異能力『夢の方舟・ファクトコンヴァージョン』