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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第27章 𝕃𝕠𝕤𝕥 𝕋𝕚𝕞𝕖 〜刹那の奇跡と儚い懐慕〜







香織が別世界に行っている間、香織の世界では『天人五衰事件』によって、バラバラになっていた探偵社員達がルーシーの部屋に集まっていた。

「皆‥‥生きて‥‥」

敦は久しぶりの探偵社の皆との再会に感動のあまり、近くにいる乱歩に抱きつこうとする。

「国木田、任せた」

乱歩は後ろにいる国木田の背中を押して国木田は敦に抱きつかれた。
その反動で国木田はドサリと後ろに倒れ込む。

「あらあら喜んじゃって、まぁ無理もないわね、探偵社と別れて独り気を張ってきたんだもの。貴女も頑張ったのよね、抱きついてきてよくてよ?」

ルーシーは隣にいる鏡花に言った。

「我慢してる」

「く、国木田さん!!手が!!」

国木田の両手首が包帯にぐるぐる巻きにされ、斬られたように見える。

「済みません、僕‥‥その‥‥知らず」

「心配するな、与謝野さんが居る」

国木田が与謝野に視線を向けると、与謝野がドヤ顔をしている。

「探偵社が揃うとはこういう事だ」

「ええ、怪我をしても与謝野さんが居る。敵に囚われても乱歩さんが居る。個人では為し得ない事を為す力を探偵社という組織は引き出してくれる」

乱歩の言葉に国木田が頷く。

「そうだ、敵もその事を分かっていたから社員を分断させたタイミングで事件を起こした」

「でも、相手の思い通りにはいかないですよね?」

「とはいえ、未だ完璧じゃない。国木田、お前達は賢治と谷崎、如月を探せ、それでようやく探偵社だ」

「分かりました。乱歩さんは?」

「僕か?決まってるだろ?仕事の一番面白いとこを貰う」

ニヤリと乱歩は悪巧みを含めた笑みを浮かべる。
探偵社だって黙ってやられるだけではない、探偵社員達が集結した時、反撃の予感を敦は感じるのであった。





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