【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第26章 猟犬との逃走劇の末
『済まぬな』
『貴方は狡い!卑怯です!私の‥‥私の想いを知っていて!』
福地の背後を大倉が剣で突き刺している。
傷だらけになった福沢は啞然としてその様子を見ていた。
『源‥‥一郎?』
大倉は剣を抜くと福地が倒れる。
福沢の手に福地を刺した剣を大倉が握らせる。
『貴様が殺した。貴様が斬った‥‥そうせよ、でなくば許さぬぞ!』
(どういうこと?これじゃあまるで−−)
ラスボスを倒している風に香織は見えた。
映像は切り替わり、次は敦と芥川が福地と戦っている。
福地の姿が目の前にいるものとは大きく違っていた。
(さっき倒された筈じゃ−−この人には『何か』ある。でもこれだけじゃあ分からない。もっと、もっと深く)
探偵社存続の鍵を握っているかもしれないと思った香織は映像の内容を知ろうと探る。
「−−さん」
(もっと、確定要素があるものを‥‥)
「香織さん!!」
条野の呼びかけによって香織は現実に戻される。
「っ!?」
「条野、部屋に連れて行け。疲れているようだ」
「はい」
条野に連れられ、香織は部屋から出た。