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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第4章 動き出す影







「あ、れ」

自分が倒れているのに気付いた香織は身体を起こした。
ここはどこなのだろうと、周りを見ると香織の顔が強張る。

「あれは!」

目に写る景色に驚愕する。
目の前には複数のError、軽く見て10体はいるだろう。
ジリジリと近付いてくるErrorに香織は怯える。
一般人である自分はErrorに立ち向かう術がない。

「た、助けて」

頭に浮かんだのは太宰と中也。
協力したいと申し出たのはいいものの、甘かった。
こんな場面だってあるのは予想できたのに、護身術などの身を守る術を教えてほしいと言わなかった。

「‥‥」

もう駄目だと目を瞑ると誰かに肩を抱かれている感覚がする。

「絶体絶命って感じ?」

「誰?」

目を開けて見上げると、そこには太宰でもなく、中也でもない、鎌を持った黒髪の青年がいた。

「それは後からかな、さーて、久しぶりに大暴れしようか」

香織から離れ、ザグザグと鎌でErrorを斬る。
その様子を香織は啞然としながら見ていた。
そして、その青年はErrorを全部倒し、香織に近付く。

「あの、倒れている人達‥‥死んでないよね?」

「え、死んでるよ」

笑いながら答える青年に香織は言葉を失った。
Errorだって、元を辿ると人間だ。
普通、人を殺した後に笑えるだろうか。

「それって、殺したってことになるんじゃ‥‥」

「だから?」

「‥‥何とも思わないの?」

「うん」

「何で!?殺す以外にもErrorを元の人間に戻すとか他にも方法が−−」




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