【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第20章 探偵社、マフィア、そして鼠
「はぁーい!めちゃくちゃこんにちは!!お嬢さん方♪」
頭上から声が聞こえて上を見ると建物の上にシルクハットを被った後ろ髪を三編みにした白髪の男性がディアナの身体を腕に抱きかかえていた。
「さーてここでクイ~ズ!!何故私はここにいるのでしょうか!」
「分かったわ!ディアナの仲間だからね!!」
「真面目に答えてる!」
自信満々に答える美鈴に香織がツッコミを入れる。
「せいかーい!!敵なのに真面目に答えるなんて面白いね〜!」
「私はあんたも倒す!正々堂々と男らしく降りて来なさいよ!!」
「お〜怖い怖い!!そうしたいのは山々なんだけど〜!時間がないんだよね!てことだからじゃあね〜!!」
「あ、こら!待ちなさいよ!!」
外套を翻させた男性が姿を消す。
美鈴は追いかけるように走ったが立ち止まって香織ほうを向く。
「あんたもやるべきことをやりなさい、私はあの外套野郎を追いかけるから」
「うん、気をつけてね」
美鈴は走り去り、香織も足を動かす。
ディアナの言っていたフョードルがいるであろう海の見えるカフェに心当たりがあった。
急いで香織はそこに向かうのであった。