【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第20章 探偵社、マフィア、そして鼠
「‥‥ディアナ?」
ディアナの様子がおかしいと思った香織は離れたところから声をかける。
「っいやーー!!!」
「熱い熱い!!助けて!!ダディ!!」
ディアナは混乱しているのかその場でしゃがみ込む。
尋常ではない様子に香織はディアナに駆け寄り、背中をさする。
「ねぇ、ディアナちゃん‥‥フェージャの居場所は分かるの?」
落ち着きを取り戻したディアナに香織はフョードルの居場所を聞き出す。
「‥‥海が‥‥見える‥‥カフェ」
ディアナが答えると彼女はバタリと倒れてしまう。
美鈴がディアナの首に指を当てて脈を測る。
「死んでない‥‥気絶しているだけ」
ディアナの身に何が起きたのか分からない香織と美鈴は困惑する。
「とりあえずディアナをマフィアに連れて行くわ、何か知っているかもしれないし」
人を呼ぶのか美鈴はスマホを取り出して操作する。
その様子を見た香織はディアナに視線を向けるが彼女の姿がいない。
「消えた!?」