【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第20章 探偵社、マフィア、そして鼠
「痛いですか?苦しいですか?なら精神状態が私の納得するものになったら開放してあげます。ですがあまり時間を掛けないでくださいね、私は忘れやすいので、長時間掛かるとずっとそのままかもしれません」
ディアナの意識が朦朧としてきた。
異能で球体から抜け出そうとするが余計に熱くなっている気がする。
「皮肉ですよね、抜け出そうとすればする程熱くなるんですもの、しかも一度抜け出すとまた炎の中にいます。貴女の敗因は一つ、ただの物質異能でドヤったことです。私みたいに無数のものを作れるようにならないと本当の意味で若姫の敵にはなりません」
熱さに耐えきれなかったディアナはとうとう気絶してしまう。
「あらら、意識を飛ばして気絶しましたね、こんな世界だと死は救済になるのでしょうね。だからこそ死なせもしないし気絶なんてもってのほかですけどね、まぁいいでしょう。それでは返してあげます♪」
言い忘れたように女性が言葉を付け足す。
「ああ、言い忘れてました。もう一度若姫を傷付けようと考えたらその苦しみから出しませんから、それだけは忘れないで下さい。私とのお約束です」