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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第20章 探偵社、マフィア、そして鼠





「おやおっやー?楽しいことしてるじゃん!」

声が聞こえたと思いきや香織と美鈴の間に炎の弾幕が放たれた。
地面に弾幕が打ち付けられ、その衝撃で煙が立つ。
しばらくすると煙が無くなりそこから出できた人物に香織は驚きの言葉を口にする。

「ディアナちゃん!?」

香織の言葉を聞いた美鈴は顔が険しくなる。

「ディアナ・アニシア……」

知っているような口振りで美鈴が言葉を溢す。
目の前に現れたディアナを二人は見つめる。

「香織と美鈴、珍しい組み合わせだこと」

ディアナと美鈴は顔見知りのようだ。

「最近姿を見ないと思ったら日本に来てたのね」

「な〜に?会えなくて寂しくなっちゃった?」

「冗談でもあんたに対しては言わないわ」

「ディアナちゃん、どうしてここに?」

「ひ〜み〜つ〜!」

「そいつは『死の家の鼠』の秘書、狙いは香織でしょうね」

美鈴に暴露されたディアナはわざとらしく頬を膨らませる。

「ちょっと!バラさないでよ!!」

「え、嘘!?」

「バラされたし仕方ない。そこにいる美鈴の言う通り私は『死の家の鼠』の秘書。ちなみに白鯨のコントロールを奪ったのは私、凄いでしょ!」

初めて会った際にディアナはスパイと言っていた。
香織の中は『自称スパイ』と記憶している。
スパイとして組合に潜り込み、白鯨のコントロールを奪うためウイルスを仕込んだのだろう。

「でも何で?ディアナちゃんが異能者のいない世界を望んでフェージャに協力しているとは思えない」

「確かに、私は世界がどうなろうがそれで自分が死ぬかもしれないとかどうでもいい。私は私の望みを叶えてくれるダディに協力しているだけ」

話を聞く限りディアナとフョードルは利害関係ということだろう。

「望み?」

「もういいでしょ、恵まれた人には分からないことだし」

話しても理解出来ないと思ったディアナは話を打ち切る。
香織と話しているとディアナは昔のことを思い出す。





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