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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第20章 探偵社、マフィア、そして鼠






「いない」

いつも仕事部屋、社長室、給湯室‥‥あちこち探したが人っ子一人いない。

(ま、まさか‥‥みんなに忘れ去られてる?)

待っていればみんな戻って来るだろうと思った香織はスマホを起動させる。

「あれから3日も経ってたの!?」

電源を入れた際に表示された日付に驚愕する。
路地裏でフョードルと会ってから3日間経っていた。
それ以上に驚くことが更に続く。

「えっ!探偵社とマフィアが全面戦争!?」

ホーム画面にはたくさんのメッセージが表示されていた。
メッセージを読んでみるとマフィアとの全面戦争について書かれていた。
福沢と鴎外にかけられた『共喰い』の異能が、48時間かけて宿主の身体を食い破るまでに成長しようとする。
それはつまり死ぬことと同義、阻止するためにはどちらかが死ねば、もう一方の異能も停止する。
仮にどちらかが殺されれば両組織共、大打撃になるのは間違いないだろう。
それを回避するためにマフィアVS武装探偵社の戦いが繰り広げられている。
他にも福沢は元組合のモンゴメリの異能空間にいるため安全な場所にいることが書かれていた。
香織の知らぬ間に事が進んでいる。

(でも社長がそれを許すわけが‥‥)

福沢ならマフィアと全面戦争なんてしないと断言出来る。
だとすると福沢の意思を無視して探偵社が勝手に動いて戦争しているということになる。

(私、探偵社員なのに何も知らないのだけど?)

白鯨の時もそうだが香織は何かと忘れ去られている気がする。

(とりあえずマフィアのビルに行けばみんな居るってことかな)






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