【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第20章 探偵社、マフィア、そして鼠
「異能力『桜花爛漫』」
異能を発動すると森の周りに桜が舞う。
舞っていた桜が無くなると美鈴は口を開く。
「これ、私の異能効かないですね」
「何だと?」
「現に何も変化が無いじゃないですか、事情は聞きました。フョードルって人は結構いい趣味してますね」
美鈴は治癒系の異能者で呼ばれたのもその力でウイルス異能にかかった森を治せると思ったからだろう。
「私の異能が跳ね返されました。首領を助ける方法は二つ、太宰治を呼んで首領の腹を掻っ捌いてウイルスに感染している臓器を探して直接無効化すればいけると思いますよ」
「たがそれは自殺行為じゃろ」
「それなら福沢諭吉を殺すしか道はありません。武装探偵社って人達と全面戦争することになります」
「奴の思う壺ってわけか」
「それしか道は無いようじゃ」
武装探偵社との全面戦争に備えて慌ただしく構成員が部屋から出て行った。
中也は何かが気になったようで美鈴に聞く。
「手前が帰ってきたのはいいがその格好はなんだ?中二病にでもなったのか?」
美鈴の服装は一言で言うと魔女風で最後に会った二年前とは雰囲気が違う。
「違ーーーーう!!これが今の私の戦闘スタイルなんです!!」
「戦闘スタイル?異能を魔法使いのように使うってことか?まぁ、あれは傍から見れば魔法だが‥‥」
「だーかーらー魔法を使うことになったのです!!異能を応用して!!」
「良いではないか、中也。美鈴が可愛く見えてわっちはその格好も好きじゃ」
仲裁するように紅葉が二人の間に入る。