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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第20章 探偵社、マフィア、そして鼠






ポートマフィアの本拠地。
その中にある一つの部屋にはベッドの上で寝かされた森の姿があった。
その森を囲むように五大幹部の紅葉と中也、黒蜥蜴の広津に構成員が複数いた。

「ごっしゅじーん!」

バーンと効果音付きで現れたのは灰色髪をしたピンクと水色の瞳のオッドアイをした少女。
ピンクのスカートに黒いシャツ、横髪をシュシュで低く結んだ容姿をしている。

「マフィアがブラックなのは知ってましたけど日本に帰国して一日も経ってない人に仕事を振るのは人としてどうなのかと思いましたがご主人がいるので私、美鈴頑張ります!」



ポートマフィア準幹部・東雲美鈴
異能力−− 桜花爛漫



彼女はマフィアの人間で二年前から潜入任務で海外に行っていた。
その潜入任務が終わり、日本に帰ってきたところでマフィアからの呼び出しを食らった。

「久しぶりじゃのう、美鈴」

「お久しぶりです。姐様!」

「あれがポートマフィアのエース……」

「そして『峻厳の女帝』の異名を持つと言われている。あれがそうなのか?」

美鈴の姿を見た構成員が声を潜めてボソボソと言う。
峻厳とは険しく、厳しいことだ。
マフィアの噂では冷酷無慈悲、ありとあらゆる権力を使って敵組織を崩壊へと誘ったとされいるため『峻厳の女帝』と呼ばれるようになった。
しかし、目の前に居るのはベタ惚れな様子でにこりと微笑みながら中也に話しかける姿。
噂とは大幅に違う。

「ご主人!お久しぶりです!!私向こうでも大活躍でしたよ!」

「積もる話もあるみてぇだが時間がねぇんだ。早く首領を治療してくれ」

「仕方ないですね、ご主人がそう言うなら」

がっかりとした様子の美鈴は森の状態を確認して彼の身体に手をかざす。




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