【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第19章 過ぎ去った時代
目を開けて視界に写ったのは見慣れた天井。
身体を起こした香織は部屋を見渡すと武装探偵社の医務室だった。
(これが真実‥‥そんなのって‥‥)
裏路地でフョードルを引き留めようと手を掴んだ際に異能が発動したのだろう。
先程見た光景はフョードルの過去。
意識を失う前に言ったフョードルとの会話の意味がこれで分かった。
(だからと言って今までの行動は許されない)
「‥‥止めないと」
(マフィアとの全面戦争なんて馬鹿げてる。私はお母さんとの思い出があるこのヨコハマを守りたい)
その想いを香織は胸に抱き、医務室から出て行った。