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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第19章 過ぎ去った時代






「目的は何?昔、私があなたの適合率40%とか言ってたことに関係あるの?」

「そうですね、関係あると聞かれれば関係あります。私の子孫であるグラナート一族の適合率が精々10%や20%‥‥0%の時もありました。ですが貴女は歴代を上回る40%、私と会話出来ることも初めてなんですよ。私の目的は若姫が生きていれば自然に達成されます」

アナスタシアの言う若姫というのは恐らく香織のことだろう。
彩愛はアナスタシアが香織を何かに利用されると思ったのか怒りを露わにする。

「香織はあなたの道具じゃない。私の唯一の娘で宝物」

「安心してください。私が現実世界に直接関与することはありません。貴女と同じ私も若姫を死なせるわけにはいきません。なんせ適合率100%なので」

アナスタシアという人物は彩愛からして分からない人だった。
善意からなのか分からないが一方的に彩愛の願いを叶えるだけで対価を示さない。

「そろそろ時間ですね、では私からの贈り物をどうぞ」

アナスタシアは手の平を彩愛に向けてかざして詠唱を唱える。

「あるものを無いものに無いものをあるものに---異能力、『夢の方舟』」

彩愛の身体から光が溢れ出たと思うとまた意識が真っ暗になった。
彩愛は身体が誰かに抱きかかえられている感覚を感じながら目を開ける。





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