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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第17章 初デートは温泉旅行!






今から5年前、亜鬼薬事件から1年後経ったヨコハマにある教会付近。

(居残りで勉強してたら遅くなったな)

テストが近付いているため、図書室で居残りをしていた香織はすっかり暗くなった夜道を歩く。
前から一人の白髪の男性がふらふらと歩いてくる。

(あの人、大丈夫かな?)

その男性の身体は傷だからけだった。
そして、バタンと道端で倒れた。

「うわっ、ちょっと!大丈夫ですか!?」

香織は前から歩いてきた男性が倒れるのを見て、駆け寄る。
呼びかけにも反応を示さず、倒れた男性をひとまず住んでいる協会に運んだ。

(この人、こんなに傷だからけで何があったんだろう)

空いている部屋に寝かしつけて、香織は男性を看病する。
そして、男性はゆっくりと目を開けて香織の顔を見る。

(あっ、起きた)

起き上がろうとする男性を香織は止める。

「あっ、起きないほうがいいですよ!」

「あの、ここは?」

「ここは、町外れにある教会です。今日はもう遅いのでゆっくりしていってくださいね」

「‥‥ありがとうございます」

香織は部屋から出ようとすると男性が口を開く。

「何も聞かないのですか?」

「逆に聞いてほしいのですか?確かに気になりますけど私は無闇に踏み込みたくないので」

香織は部屋のドアを開けて、何かを思い出したように口を開く。

「あっ、でもあなたの名前くらいは教えてくれたっていいですよね?ここに運んだの私ですし」

にこっと笑みを浮かべながら香織は男性に近付く。

「‥‥条野採菊です」

「条野君ね、私は如月香織。短い間だけどよろしく。そうだ、夜ご飯持ってるね」

香織が部屋から出ると条野は包帯が巻かれた腕を見ていた。




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