【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第17章 初デートは温泉旅行!
その日の夜、香織はとある人物をカフェに呼んだ。
呼び出されたその人物が席に座ると香織は口を開く。
「与謝野さん!助けて下さい!!」
「急に妾を呼び出して、どうしたんだい?」
「その‥‥私、温泉旅行に行くことになったんです。お、男の人と」
「は‥‥?」
香織の言葉に与謝野は開いた口が塞がらない。
「どうしてそうなったんだい?」
「実は、かくかくしかじかで‥‥」
香織は今日あった出来事を与謝野に伝える。
一応、条野が猟犬だというのは伏せて。
「なるほどねぇ。」
「与謝野さんにはデートに何が必要なのか伝授していただけると‥‥」
「そうだねぇ‥‥ワンピースを着ていったらいいと思うよ」
「ワンピース?」
「あんたいつもは袴だろう?偶にはいつもと違う自分になったらどうだい?」
「確かに、それはいいかも」
(でも家にあったかな、ワンピース)
「ところで、その条野とやらはいつ出会ったんだい?」
「確か、私と条野さんが初めて会ったのは5年前で‥‥」
香織は当時のことを思い出す。