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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第17章 初デートは温泉旅行!







DEAD APPLE事件から数週間後、香織の姿はショッピングモールの中にいた。
家族連れやカップルで賑わうショッピングモールの中で鐘が響く。

「おめでとうございます!一等です!」

「え?」

休日のショッピングセンターで行われいた抽選で香織は一等を当てる。
なんと一等賞は中々予約が取れない旅館でペアリングのチケット。
しかも男女一枚ずつという特殊なものだった。

(どうしよう‥‥誘える男子いたかな?)

2枚のチケットとにらめっこしながら香織は歩いている。
当てたのはいいものの、恐らく恋人同士で行ったほうがいいのではないかと思う。

(誰かに譲ろうかな)

生憎、香織には彼氏がいない。

(彼氏の『か』の字すらない)

がっくりと肩を落とす。
見ながら歩くと誰かにぶつかると思った香織はチケットから顔を上げる。

「あれ?あの人‥‥」

ベンチに座る知り合いの姿を見つけた香織はそろりそろりと背後から近付く。
その仕草は某有名人を彷彿とさせるものだった。

「香織さん?」

あと少しで手が届きそうになった距離を詰めた時に気配を感じたのか知り合いの人が振り返る。

「バレちゃったか、久しぶり!条野君!」

「お久しぶりです。香織さん」

香織の目の前にいるこの男性は条野採菊。
特殊制圧作戦群・甲分隊−−猟犬の一人だ。
猟犬とは国内の全部隊から最高の人材を集めて結成された軍警最強の特殊部隊で、隊員は僅か5人ながら全員が元軍人かつ超級の異能者で構成されている。
条野は目が見えないが、そのかわりに他の五感が発達しており、発汗、体温、筋肉の音などを感じることが出来る。



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