• テキストサイズ

【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第16章 DEAD APPLE







崩壊した骸砦で、差し込む朝日を見ていた敦と鏡花の元へ一人の足音が近付く。
二人が振り返ると歩いてきたのは太宰であった。
太宰は二人の前で立ち止まる。

「敦君。今回、私はね−−」

太宰の言葉を遮るように敦が口を開く。

「太宰さんは、この街を守ろうとしたんですよね」

「‥‥私がそんなことをするいい人間に見える?」

「見えますけど」

少し惚けたような太宰の言葉に敦は真面目に答える。

「‥‥まぁいい」

「彼が最期に退屈と孤独を埋められたのならいいが」

「‥‥あなたはこれで本当に良かったの?」

鏡花が敦へと問いかける。

「一度は彼を殺した記憶を忘れたみたいにもう一度あの過去に蓋をすることは出来るんじゃないかと思う。でもこれでいいんだ。少なくとも今は、皆とこの街を守れたことを誇りに思うし、そうやって鏡花ちゃんや皆と生きていくほうが−−幾分か素敵だと思うから」

「‥‥!」

「「‥‥」」

敦の言葉に太宰、鏡花も微笑んで返す。
そんな三人を朝焼けが照らす中、男性の声が響いた。

「くぉらあああぁぁ!!」

「‥‥!」

そこには敦たちの方へ歩いてくる武装探偵社の面々がいた。





/ 309ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp