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【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜

第3章 禁忌という名の罪







「事の発端は3年前、とある殺人事件だった。被害者の外傷から凶器となるものが見受けられなく、腹部には獣に引きちぎられた後があった。犯行現場にある防犯カメラを見たところ犯人は映っていたが体格からして人間では無かった。そしてその数日後また新たに被害者が現れ、そしてまた数日後‥‥そうやって日を重ねる内にとうとうポートマフィアの構成員までもが殺された。犯人は最初の事件と同じ人間ではない『何か』ポートマフィアは売られた喧嘩は買う主義だ。犯人の素性を洗い、そして捕らえたが遅かった。理性を失い、凶暴になった獣‥‥この時は殺せば全て終わると思い殺したがまた新たに一般人に犠牲が出た。そしてまた犯人を特定し、最初と同じ、理性を失い、また殺した。二人の共通点を調べるとある薬を購入していた。」

「それが亜鬼薬。」

「そうだ。その薬の初期症状として異様に喉が乾き、次第には血を求め、そして最後には君が見たような人間の原型を留めない理性を失った血に狂う鬼の化け物となる。売人から話を聞くと亜鬼薬は異能力を限界まで引き出す薬らしい。我々は亜鬼薬を飲んだ者をErrorと呼んだ。亜鬼薬はここ数年、闇市場で売られていたがここ最近では頻繁に出回っている。亜鬼薬の成分を調べてみると医薬品の成分では無く、使われているのは『誰かの血』だった。製造者と取引をする情報を得て、その現場にいたのが柳瀬和雄だ。先程見せた映像がそうだ。今回、太宰君と中也君には君への接触とErrorの排除を命じた。」

「最初から全て‥‥」

「そう、計画の内だ。」

(ポートマフィアの首領の手の平で踊らされていたんだ。私は‥‥)

「そこで提案しよう、この秘密を知ってしまった君に二つの選択肢がある。」

森が人差し指を立てる。

「一つ、このまま殺されるか。」

そして中指を付け加える。

「二つ、ポートマフィアと手を組んで柳瀬和雄探しに協力するか。」





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