【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第16章 DEAD APPLE
「もしかして、太宰さんの好きな人だった‥‥とか?」
「好きな女性だったら一緒に死んでるよ」
「ま、太宰さんならそうか‥‥」
「何か言った?」
「ああいえ、別に‥‥」
「‥‥友人だよ。私がポートマフィアを辞めて探偵社に入るきっかけを作った男だ。彼がいなければ、私は今でもマフィアで‥‥人を殺していたかもしれないね」
「え?」
「嘘だよ。どうせ国木田君あたりに言われて私を探しに来たのだろう?」
「ええ、大事な会議があるからと」
「パ〜ス」
「ええ!?」
「ちょっと新しい自殺法を試したくてね」
ひらひらと手を振りながら去っていく太宰を敦は呆れて見送る。
「またですか?もう‥‥また国木田さんにどやされる」