【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第16章 DEAD APPLE
「織田作!!」
太宰は夥しい量の血に濡れた手を握りしめる。
「ッ‥‥!!」
夕暮れの中、太宰が消えそうな声で問いかける。
「織田作‥‥私はどうすればいい?」
太宰に抱えられた人物−−織田作之助は最後の力で太宰の問に答える。
「人を救う側になれ‥‥」
「‥‥!」
「どちらも同じ人間ならいい人間になれ。弱者を救い、孤児を守れ‥‥正義も悪もお前には大差ないだろうが−−その方が幾分か素敵だ」
「何故分かる?」
「分かるさ、誰よりも分かる。俺は−−お前の友達だからな」