【第一章】世界の支配者篇 〜定められしサークリファイス〜
第15章 自殺か他殺か
「うん、気をつけて行ってきてね」
「はい!」
敦と別行動になった香織は繁華街を歩く。
歩いているとガラの悪そうな男性二人に声をかけられた。
「ねーちゃん、ねーちゃん」
「俺らと遊ぼうぜ」
道を塞がれるように立ちはだかる男性二人に香織は困惑する。
「えっと‥‥その」
香織が困っていると別の男性の声が聞こえて来る。
「すみません、その女性は私の連れでして」
肩を抱き寄せられた感覚を感じた香織は見上げると顔が青白い男性がいた。
「チッ、それならそうと行ってくれよ」
「行こうぜ」
男性二人が不満を募らせて立ち去る。
「あの、助けてくれてありがとうございます!」
「いえいえ、困っている時はお互い様です」
にこりと微笑む男性だが顔色が悪そうに香織は見えた。
「大丈夫ですか?顔色が悪そうですけど」
「大丈夫です。心配してくれてありがとうございます。では、僕はこれで失礼します」
「はい、お気をつけて‥‥」
香織は心配そうに男性が去った方向を見る。
やがて姿が見えなくなったところで香織は探偵社へと向かう。