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凜恋心【最遊記】

第16章 所有物


「何怒ってんだ…」

そう呟きながら…雅は隣の部屋に向かって入ると悟浄のもとに向かっていった。

「三蔵に『もの』って言われた…」
「は?」
「俺の所有物って……」
「あの…雅ちゃん?それってノロケですか?」
「そうじゃないよ…物だよ?」
「ただの物じゃねぇだろ、三蔵の、だろ?」
「でもあの言い方じゃ銃とかと同じじゃん…私ばっかり好きな気がしてやだ…」
「あの……これって完全ノロケじゃね?」
「まぁま、雅?そのくらいにしておかないと悟浄が三蔵に殺されますよ?」
「……八戒ぃぃ…」
「三蔵はあぁ見えて独占欲の塊ですからね。変な虫が付かないようにしたかっただけなんでしょう?」
「あー、三蔵虫嫌いだしなぁ!!」
「悟空?そういう虫じゃないんですけど…」
「でも…」
「まぁまぁ。それはそうと、今日この街で小さなお祭りがあるみたいですよ?」
「お祭り……?」
「行く先々で祭りやってるよな!!」
「そういう時期だから、じゃないですか?」
「お祭り…か…」

祭りがあると情報をくれた八戒にお礼を言って、雅は三蔵の元に帰っていく。

「俺トイレ!!」

後を追う様に悟空もまた部屋を後にする。残された悟浄は八戒になだめられていた。

「完全にあれ…ノロケだろうが…」
「もしかしたら気付いてないのは雅だけかも知れませんね」
「げ…」
「虫除け、というより、悟浄避けの様な気がします」
「笑い事じゃねぇよ…あれ見る度にこんな思いしなくちゃいけねぇの?」
「三蔵も意地が悪いですから…」
「全く…」
「だったらいっその事、雅に本気だって言ってみたらどうです?」
「三蔵に殺されながらか?」
「思いを伝える分には殺さないと思いますよ?ただ、手を出したりしたら殺しかねませんけど…」
「や、好きだって言った後にハグも出来ねぇの?」
「あー、そしたら三蔵に撃たれる前に雅に完全に『ごめん』とか言われません?」
「……どっちも痛てぇな…」
「それかもう諦めるとか…」
「それだとずっと思いっぱなしになりそうだわ…俺…」
「どっかで踏ん切り付けたら良いと思いますけど?」

そんなことを話していた。その頃の雅は三蔵に話をしていた。
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