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凜恋心【最遊記】

第16章 所有物


隣の部屋に行き、八戒達に三蔵の熱がしっかりと下がった事を伝えに向かった雅。ノックをして、中に入る。

「あの…昨日はごめんなさい…食事一緒に行けなくて…」
「良いんですよ、それで…三蔵……は、熱下がったみたいですね…」
「え…なんでそれ…八戒って心読める?」
「いえ、心は読めませんが、観察力はある方だと自負してるんです。」
「観察力…?」
「あぁあ…三蔵サマって…本当に熱があったのか?」
「悟浄!!今日の朝御飯もキュウリ!」
「だって…そう聞きたくなるぜ?」
「悟浄?雅がかわいそうですよ?」

そんな会話をしていたときだった。悟空がきて首元に手をやると心配そうに聞いてきた。

「雅、痒くない?」
「え?」
「虫にでも刺された?」
「え?刺されてないよ?」
「でもここ…赤くなってる…」
「え…?」
「猿、それなら心配すんな。痛くも痒くもねぇから。」
「悟浄にゃわかんねぇだろ!八戒、薬とか…」
「要らないんです、悟空。」
「え?」
「キスマークですから」
「キ…ッ!?!?」
「おや?気付いてなかったんですか?」
「……また後で来る!!」

そういって三蔵の元に逆戻りしていった雅。

「三蔵!!」
「なんだ、騒々しい…」
「キス……キスマーク!!」
「あぁ付けた」

しれっと言う三蔵に顔は真っ赤になる雅。

「皆に見られた…」
「何言ってんだ貴様は…」
「だって!」
「見せてんだから、気にするな」
「見せてって…わざと?」
「あぁ」
「なんのために…!!」
「俺の所有物って見せつけるために。」
「しょ…ゆうぶ…つ……私ものじゃない!!」

真っ赤になりながらも部屋を出ていった雅の背中を見て三蔵は首を捻っていた。
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