第15章 清く、やましく、大胆に……
♢ おまけ ♢
翌朝には三蔵の熱もすっかりと落ち着いていた。
「ン…」
「あ……おはよう、三蔵…熱は…?」
「問題ない」
「そっか…!良かった」
「良くねぇよ…」
「え?」
「雅、お前は?」
「えっと……何が?」
「…いや、移ってないならいい」
「うん、大丈夫!!」
そういうと雅は三蔵にきゅっと巻き付いた。
「ずっと…こうしてられたらいいのに…」
「なに生温いこと言ってんだ、テメェは」
「解ってる。でも…あと少しならいいよね…」
「フン…お前の言うあと少しはあてにならんからな…」
「そう言うこと言う?」
「だってそうだろうが…」
「私は三蔵とこれからも旅して、いろんな物見たり出来たら嬉しいなって思うよ?三蔵は?」
「どっちでもいい」
「えー…なにそれ…」
「雅がいるなら…味気ない風景だろうとなんだろうと、別にどうってことねぇって言ってんだよ」
「…それってつまり、私と一緒がいいってこと?」
「良い様に解釈しすぎだろ」
「でも、強ち間違ってないってことだよね?」
「……チ…」
そう軽く舌打ちすると、三蔵は嬉しそうにはにかんでいる雅を抱き寄せた。
「言っておくが…」
「なに?」
「俺は案外気が短い方だ」
「前置きされなくても知ってるよ?」
「いつまでもお預けなんざ、されるのは…性に合わないんでね」
「あの…三蔵?」
「でも、まぁ……今はゆっくりでも良いのかもな…」
そう言って首もとに軽くキスを落として笑った。
「朝から……そんな…」
「問題でも?」
「ある…!!大有り!!」
「それは知らなかったな」
軽く衣服を整え、雅は隣の部屋に言ってくると伝えて部屋を出ていった。
「全く…俺も人の事言えねぇな…」
そう笑っていた。