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凜恋心【最遊記】

第15章 清く、やましく、大胆に……


夕食の時になっても雅はどう顔を合わせて良いか解らなかった。それでも食事を摂らないと言うわけには行かない。その為少し俯き加減にしながらも食事処に向かっていく。

「さて…何にしますねぇ…」
「俺肉ーー!!」
「たまには魚とかって選択肢はねぇのかよ、この猿」
「猿って言うな!エロ河童!!」
「ほら、そんな言い争ってるとまた三蔵に怒られますよ?
「三蔵はなに食いたい?」
「……別に」
「…三蔵?」
「うるせぇ…」

きゅっと手を掴むもふいっと振り払われた雅。しかし、その一瞬で雅は感じ取っていた。

「三蔵、カード貸して?」
「何言ってんだ…貴様は…」
「いいから!」

そういって手を出している雅。舌打ちすると雅に渋々手渡す三蔵から、カードを受け取ると、雅は一番安全だろう八戒に手渡した。

「これで食べてきて?」
「?あなたは?」
「私…三蔵と一緒に先宿戻るよ」
「雅?そんなに三蔵とヤりたい?」
「八戒、あの二人の事お願いね?」
「おーい……雅ちゃん?」
「どうかしたんですか?」
「恐らく…風邪…かな?」

小さく笑うと八戒は三蔵に目をやる。小さく微笑むと雅からカードを受け取った。

「それじゃぁ、三蔵の事、任せました。」
「ん、ありがとう。あ、あと悟浄?」
「んぁ?何?」
「今日の夕飯、キュウリだけね。」
「は?!何?」
「女の子もなし!」
「……ははは、自業自得ですね」
「…鬼だ……」
「なんか言った?」
「いえ……」

そう話を付けて三蔵の元に戻る雅。
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