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凜恋心【最遊記】

第14章 愛し、甘く、ほろ苦く…


「解ってる…でしょ?」
「さぁな、俺はカミサマじゃねぇから解らねぇ」
「…意地悪」

そういいかけた時だった。思いきり部屋の扉が開いた。

「三蔵!!もう一つベッドぉぉぉぉ!!」
「………この…」

悟空は空気が読めずじっと見てしまっている。しかし、突如顔を真っ赤にしてゆっくりと扉を閉めていった。

「……悟空に…見られた…」
「特にまだ何もしちゃあいねぇだろうが」
「まだ!!……三蔵…その…だって…」
「何言ってやがる」
「……ッ」
「それとも見られながらでもよかった?」
「……さんぞ…ッッ!!」
「冗談だ、バカ」

クツクツと喉をならして笑う三蔵。隣の部屋では思わぬことに悟空が話しているとも知らずに。

「さて…と」
「三蔵?」
「お前はここで待ってろ」
「どっか行くの?」
「大したことじゃねぇよ」

そう言うと三人のいる部屋へと向かっていった三蔵。扉をノックすると同時に開け放った。

「おい、八戒も悟浄の…その猿、くくりつけとけ」
「何言ってるんです?」
「ひでぇよぉぅ!!」
「だったらせめてノックしてから入るように言っておけ」


言うだけ言って三蔵は部屋を後にした。

「あーらら…」
「全く…自分自身が宿についてすぐに事を起こすからこうなるんでしょうに…」
「でも…プロレスごっこ…雅かわいそうだよな…」
「は?」
「だって…顔真っ赤になって…俺までつられて…照れちゃって…」
「悟空?」
「恐らくプロレスじゃ…ねぇと思うぞ?」
「え…だって」
「ほら、何て言うの?男と女が…こう…」
「悟浄?」
「何々!!」
「こうしてさ」

そういって悟浄は自身の体を抱き締め、キスをする仕草を見せた。

「そ…それって……」
「そういうこと」
「おれ…三蔵に謝らなきゃ…!」
「悟空!!ノック……って…」
「すると思うか?」

数秒後に少しはなれた部屋から銃音が鳴り響いた。その直後と言って良いだろうか、首根っこを捕まれた悟空が、眉間に皺の寄った三蔵につれてこられたのは……言うまでもないことだった。
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