第14章 愛し、甘く、ほろ苦く…

「なんでもかんでもぶっ放すのやめやがれ！クソ坊主！！」
「うるせぇよ、忠告したはずだ…」
「へーへー、確かに愛を誓ってまし『何か言ったか』……言ったって言ったら？」
「この場で貴様の頭をぶち抜いてやる」
「うっわ……本当のこと言われてぶち抜かれる俺って何？」
「それはあなたが無防備過ぎにも言ってしまうからでしょう…」
「…八戒…」
「なんです？僕は何も言ってませんよ？」
「なぁなぁ、なんの話？」
「ガキなお猿さんにはまだ早い話だよ」
「むぅぅ！！ガキ扱いして！！なんだよ！」
「あー…めんどくせぇ…」
「ははは…！！」
「ねぇ悟空！」

そう呼び、白竜の元に向かった雅の言葉で悟空はその場から離れた。白竜と一緒に、雅は笑っている。その様子をみた悟浄はふっと笑いながら口を開いた。

「昨日は、聞こえない振りすんの大変だったんだぞ？」
「なんの事だ…」
「なぁにが『悟浄と違って言わねぇ』だよ…しっかり伝えたくせに。」
「……ﾁｯ…起きてやがったのか…」
「まぁ、雅の事が心配だったのは三蔵だけと言う訳じゃ無かったってことですよ。」
「……はぁあ……」
「そんなに大きなため息吐くと、幸せが逃げますよ？」
「だったら逃げるのは悟浄の方だな…」
「なんでだよ！」
「貴様のせいでだからに決まってるだろうが」
「別に悪いことじゃねぇだろうが…」
「そうですよね、そこは悟浄に賛成です。やっと三蔵も人間らしくなりましたし！」
「俺をなんだと思ってんだ…」
「まぁまぁ、俺も八戒も、三蔵様の貴重な告白が聞けて嬉しいんだよ」
「今すぐ忘れろ」
「あらぁぁ」
「忘れたか？」
「そう簡単に行くわけねぇだろうが」
「なら、俺が消してやろうか？その記憶」
「ははは、三蔵？それだと記憶だけでなく悟浄自体消えてしまいますよ？」
「それはそれで面白いかもな」
「……冗談だろ…！！」

そういうと観念したかのように悟空達のもとへと向かっていった。残された八戒と三蔵は改めて話し始める。