第14章 愛し、甘く、ほろ苦く…
あの村を出てその日の内に次の街につくことは難しく、野宿となった一行。なかなか食も進まない雅に対して、悟浄は声をかけた。
「みーやび☆どうした?」
「悟浄…どうして?なんにもないよ?」
「そうかぁ…?なんにもないって顔してないけど?」
「んー…救えない命を目の当たりにして…」
「仕方ねぇよ、八戒も言ってたけどさ、死んだ人は生き返らせれねぇんだ」
「わかってるんだけど……私自身、力のあり方って言うか…わかってなかったから……」
「だったら知れば良いんじゃねぇの?」
「そうなんだけど…難しいなって…」
話しているところに八戒も入ってくる。
「雅?どうしました?」
「八戒…」
「力のあり方について悩んでるみてぇでさ?」
「仕方ないですね、使えば使うほど強くなると言うものでもないですし、使わなかったら退化するって言うのも違いますしね…」
「そっか…」
じっと両手を見つめる雅の肩をくいっと抱き寄せた悟浄。
「でも、まぁゆっくりで良いんじゃねぇの?」
「あー悟浄……それよりも急いで手、離した方がいいんじゃ……」
「ぇ?」
はっと気付くのも一足遅く、三蔵の昇霊銃が唸りをあげる。