第12章 まっ更な想いと、唇
昨夜なかなか寝付けなかった悟浄は、次の日も起きれたものの食は進まなかった。
「……ぅ…悟浄?!」
「え…?あ…何?」
「大丈夫?全然食べてないけど」
「平気…あんま昨日寝れなくて…」
「珍しいですね、あなたが眠れないなんて…」
「色々考え事…ってとこかな」
「次の街で良い女がいるかなぁとか?」
「何でそうなる…」
クハっとおどけて笑ってみる悟浄に雅は顔を覗き込み心配そうに再度訪ねた。
「ほんとに…大丈夫?」
「大丈夫だよ…心配いらねぇ。それよりも今まさに銃ぶっ放しそうな三蔵のが気になる…」
無意識にやっている行動とは言え、苛立ちを隠せなかった三蔵の様子に皆が声をかけた。
「まぁ…相手は雅ですし…」
「てか、エロ河童だし!」
「ある意味相手が雅だと大変ですね…三蔵…」
「気にしてねぇ…」
「そうは見えませんが?」
くすりと笑いながらも早々に朝食を済ませた一行はジープに乗り込み次の街へと急いでいた。しかし、なかなか次の村に付くことは出来なかった。
「おい、予定だともう着くんじゃないのか?」
「その予定なんですけどねぇ…」
「道間違えた?」
「一本道でしたから間違えようもないのですが…」
「おっかしいよなぁ…」
「今日も野宿?」
「そうなりますね…」
「チッ…仕方ねぇな…」
「あ、でもこの近くに川あるし!!早めに停めてお洗濯とかしたら?」
「それは良い案なのですが…」
「好きにしろ」