第11章 男同士の夜
「なぁ八戒?」
「はい?」
「俺等に妖怪退治させといてあんな風にイチャついてる二人ってどうなんでしょうね…」
「全くです。そのわりにちゃんと返事もしないなんて…」
「よそ見してんじゃねぇぞぉぉ!!」
「あー、ちょっと黙ってて?」
「そうです、作戦会議中なので…」
そう答えながらも鎌や気功砲は妖怪達を確実に捉えていく。
「終わったぞぉ」
「三蔵ぉ!腹減ったぁ」
「食ったばっかだろうが、テメェは」
「うるせぇ!ゴキブリ河童!!」
相変わらずの会話がなされているジープの上で、雅もまた、ワイワイと話していた。
その日の夜は、野宿となった。大分なれてきたのか、雅もぐっすりと眠りについていた。熟睡している一行の中でふと体を起こしたのは三蔵だった。木に凭れ、何をするでも無くマルボロに火をつける。
「眠れねぇ?三蔵…」
「……貴様か…」
「隣、良い?」
「チッ…良いって言う前に座ってんじゃねぇよ…」
そう悪態吐かれながらも、悟浄は揺ったりと腰を降ろし、同様にたばこに火をつけた。