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凜恋心【最遊記】

第11章 男同士の夜


そういってゆっくりと八戒はジープを出した。道中かなり機嫌の悪い三蔵。こんな時には声をかけないのが一番良い。恐らく、何かを言っても返事は返ってこないだろう。

「三蔵?」
「うるせぇ」
「まだ何も言ってませんよ?」
「聞く気なんざねぇ」
「困りましたねぇ…」

本当に困っているのだろうか…と疑いたくなるような八戒の笑みに誰もが言葉を交えることは出来なかった。
大分進んできただろうか…一旦休憩を取るべくジープを停めて、昼食がてら休憩することにした一行。白竜も水を貰い、皆でご飯を食べる。そんな時だった。

「白竜?おいで?」
「キュキュキュー」
「重たいのに、ありがとう」

そういいながら雅はそっと体を撫でてみる。すると一気に体力が回復した白竜。それを目の当たりにした悟空は目をキラキラ輝かせていた。

「やっぱ…雅すげぇよなぁ!!」
「え?」
「白竜の体力まで回復させれるなんて…」
「すごくないよ…八戒だって出来ることだし…」
「すげぇよ!俺出来ないもん!!」
「体力バカだもんなぁ…猿は」
「うるせぇ!エロ河童!!」
「同感だ」
「三蔵、まだ怒ってるわけ?」
「どの口が言ってやがる…!」
「もう!皆でご飯くらい楽しく食べようよ…」
「僕は雅に賛成です」
「俺もー!!」

そういわれて三蔵は顔を背け、悟浄は観念したとばかりに頭を掻いていた。
昼食を済ませ、道中に変わらず妖怪が襲ってくる。

「相変わらず…皆強い…」
「…フ…」
「ねぇ、三蔵…」
「がら空きだぞぉぉぉ!!玄奘三蔵!!」
「…うるせぇよ」

そう呟くと雅の頭をぐいっと抱き寄せて右手で銃を放つ。

「ご…めん……」
「ボサっとするな」
「うん…」

その様子を見て悟浄は近くにいる八戒に問いかけた。
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