第11章 男同士の夜
宿に帰ると、身支度をしてジープの姿に変身した白竜に荷物を積み込み、宿を後にしようとした時だ。
「あ…そうだ。三蔵?」
「なんだ」
「これ…忘れるところだったわ…」
そういうと軽く三蔵の頬にキスをする悟浄。
「なんだ、一体…何の真似だ」
「貰いっぱなしじゃいけねぇからさ?」
「……殺す」
「返したんだからいいだろうがって、ちょっと待て!!」
「問答無用…」
そういうと構えるが早いか、銃弾は悟浄を目掛けて何発も飛んでいく。
「ねぇ八戒?キスの貸し借りなんて出きるの?」
「そういうことじゃぁ無いと思うのですが…」
「ちょ!!マジ死ぬ…!!」
「テメェに運がついてたら死なねぇよ、クソ河童」
「黙ってたらいいものを…」
「え?八戒、何か言った?」
そんな雅の問いと悟空からの視線をさらりと受け流すかの様ににこりと笑い、 運転席へと一足先に乗り込んでいった。次いで雅と悟空が乗り込む。ガタンと荒々しく乗り込んだ三蔵は八戒に突如もの申し始めた。
「八戒、直ぐ出せ、とっとと出せ!」
「そうは言っても…」
「待てって!!」
「…チッ」
「皆乗りましたね?行きますよー?」