第10章 ふとした疑問、そして…
そういうと頭をポンポンと優しく撫でた悟浄。そんな様子を見ていた八戒と悟空が戻ってくると悟浄はなにも無かったかの様に視線を二人に向けた。
「お、終わったか?猿」
「うるせぇよ!エロ河童!」
「本当ですねぇ…三蔵に言ってしまいましょうか、街中で悟浄が雅に手、出してましたって…」
「や、だからそれされるとマジで俺殺されっから!」
「でもそんな事で三蔵、いくらなんでも殺さねぇだろう?」
「悟空?今では殺されてしまうことなんですよ、ね?雅」
「……あの…私何て言えば…」
「雅、大丈夫か?顔赤い…」
「ん…大丈夫…ごめんね?悟空…本当になんでも無いから…」
「でもなんでだ?」
「そりゃ、三蔵の彼女、だからだろ?」
「え!!雅、そうなの?!なに?なんで?いつから?!」
「……あの…えっと…」
「ほら悟空?雅も困ってますよ?」
「そっか…ごめん」
なんとも素直な悟空を目の前にして、雅もまた、顔の火照りが収まらなかった。宿に戻る間、今度は雅が悟空と色々話をしていた。
「なぁ八戒?」
「はい?」
「…三蔵に好きって言われてねぇってことは…どう言うことだ?」
「…雅に聞いたんですか?」
「あぁ、雅は好きだって伝えて…昨日見たろ?あんな事まであって、好きの一言もねぇってどう言うことだ?」
「それは行けませんね…」
「だろ?」
「解りにくい…では済まされないことですからね…悟浄なら速攻で好きだの愛してるだの言いそうですが…」
「八戒…俺の事どう思ってる?」
「あれ?違いましたか?」
くすくすと笑いながらも先を歩く雅と悟空の後を追って、宿に戻っていったのだった。そう、八戒の怪しげな笑みを浮かべたまま…