第10章 ふとした疑問、そして…
「じゃぁ、行ってきますね?」
「あぁ」
「なるべく遅くならないようにします。」
「あぁ」
相変わらず素っ気ない返事をする三蔵に笑いかけながらも四人で宿を後にして、街中へと出ていった。
四人が部屋を後にして直に三蔵はある気配を感じ取った。
「…今度は貴様か」
「ひでぇ言い草だなぁ、おい」
「当然だろうが…悪趣味にも程がある」
「まぁそう邪険にするなよ。オレとお前の仲だろう?」
「ハァ…要らねぇよ。…それで?何の用だ」
「いや?良く懐かれたもんだなぁって思ってな」
「何の事だ」
「雅の事だよ。オレが知らねぇとでも思ったか?」
「放っておけ」
「そうも行かねぇだろう?保護者のホゴシャとしたら」
「…チッ」
「ま、誰かが落ちるとは思ったがまさか三蔵、お前が落ちるとはね」
「下らねぇこと言うだけならさっさと帰れ」
「まぁ、冷やかし程度だし。クスクス…帰ってやるよ。そうそう、全力で守れよ?チューまでしたんならな?」
そういうだけ言って菩薩は姿を消した。
「雅に会ってから菩薩に会うことまで増えるとはな…」
それだけが誤算と言わんばかりに三蔵は大きくため息を吐いていた。
そんなやり取りをしている間に、買い出し組は当面の食料等を買っていた。
「なぁ!!あれ見てきてもいい?」
「僕も行きます」
「じゃぁ私ここで待ってるよ。」
そういってそこにあったベンチに腰かけた雅。
「悟浄は?」
「待ってるわ」
「それじゃぁ…荷物置いていっても良いですか?」
「もちろん!」
「八戒!早く!!」
そう急かされて八戒は悟空の元に向かっていった。よっと雅の横に座る悟浄は目を合わせるでもないまま、雅に問いかけた。