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凜恋心【最遊記】

第8章 交差する想い


「ねぇ八戒…」
「はい?」
「私…本当に迷惑かけてない?」
「と、言いますと?」
「三蔵の吸い殻の量……」
「…そうですね、いつもの1.5割増ですね?」
「悟浄には…なにも言われてないんだけど…」
「で…?なぜさっきはあんな事に?」
「えっ……と…内緒にしてくれる?」
「えぇ」
「変なことした?って聞いたらしたのは俺だって…その……キス……したからって……私冗談だと思って…そしたら私の事…落とすって……冗談にも程あるしなって…」
「そうでしたか。キスはさておいても、落とす宣言は昨日、あなたが酔いつぶれてる間に言ってましたね。」
「……ッッ」
「で、雅にも直接言ったと言うわけですね。」
「何か…その…言ってた?」
「悟浄がですか?」
「……その…」
「ん??」
「…やっぱり大丈夫!ごめんね、変なこと言って。私、ちょっと外…行ってくる」

そう雅は言い放って、八戒のいる部屋を飛び出すかの様に出ていった。少ししてその音に驚いたのか、悟浄が入れ替わりやってきた。

「すンげー音したけど?」
「…あなたって人は…」
「…ん?」
「キスしたって本当ですか?」
「…あー…まぁ、ココにな?」

そういうと、なぜか自身の額をつんとつついた。

「場所聞かれなかったし?」
「完全に唇だと思い込んでますよ?」
「あらー…」
「全く…少なくとも、雅の心は昨日あなたも聞いたはずでしょう」
「まぁな、てか、少し前から知ってたわ」
「え?」
「ほら、紅孩児んとこの。あいつが来た時に俺が冗談で三蔵のカノジョって言ったりしてたのが気になったみたいで。直接聞かれたわ」
「そんな前から聞いてて、何であんな事。」
「三蔵がさ。何か煮えきらなかったから」
「…それだけですか?」
「まぁ、な」

そういうと、悟浄は椅子に座りたばこに火をつけた。

「う…わ…何だこの量…」
「あなたが昨日変な事言うからでしょう?」
「でも、好きにしろっていったのは三蔵だぜ?」
「そうかも知れませんが、悟浄だって知ってるでしょう、三蔵が天の邪鬼だってことは。」
「事と次第によるだろうが」

そう言い、それぞれの行き先を追求することもなく、空を見上げながらゆらゆらゆれるたばこの煙を燻らせていたのだった。
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