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凜恋心【最遊記】

第56章 菩薩との契約



『次会った時、私またきっと三蔵に恋するだろうから…その時三蔵もまた私に恋したら、これ返してね?』

「ばかだろ…あいつ…」
「でも、それしかないですからね」
「……そういやブレスレットとネックレス……」
「持っていきましたね…」
「クス…それが目印ってか?無くしたり壊れたらどうすんだっての」
「確かに。それならそのリングのが壊れないでしょうけど……」
「…だから…だろ」
「え?」

そう言うとスッと小指にはめた三蔵。

「何が忘れないだ、記憶消されたんだろうが…」
「三蔵…?」
「正論ばっかり言いやがって……ッッ行くぞ」
「え…行くんですか?」
「なに言ってんだ、俺等は西に行かなきゃ行けねえだろうが。」
「そうだよなぁ!まだ遠足は終わってないしな!」
「遠足じゃねえよ」
「雅に会えるまでにこの異変止めねえとなぁ!」
「てか会えるのか?」
「…言ってたろ、『諦めんなよ』って……」
「そうですが…」
「言っておくが、俺は色々と諦めが悪いほうだからな…」
「んなこたぁ知ってるけど…」
「それともなんだ、俺と一緒じゃ不満って訳か?」
「や、そうは言ってねぇけど」
「余韻も何もありませんねぇ。」
「美女が居なくなったからなぁ。」
「居るだろうが。」
「は?何言って…」
「貴様の中にも…俺達の中にはずっとあいつは居る。違うか?」
「…あぁあ、素直じゃないねぇ」
「八戒!行くぞ」
「待てってぇ!三蔵!」

そう言いながら、三蔵は立ち上がった。釣られるように悟空もグッと零れる涙をぬぐい、にこやかな笑みを取り戻した八戒や悟浄も荷物を持ち、宿屋を後にした。

西域の異変を止めるべく……

雅が残した手紙と…約束を胸に抱いて…



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