第7章 宵の告白
次の日、街で祭りがあると聞いた五人は街中に向かっていった。
「あ!!見てみて!かわいぃ!」
「似合うんじゃねぇの?雅」
「んー、でも要らないや!」
「何で?良ければ買ってやるぜぃ?」
「ううん、本当に要らないの」
「…そういえばずっと着けてますね、そのネックレス」
「そういえば、そうだな」
「…ん、」
「大切なものですか?」
「私のお守り…みたいなもの」
「…へぇ」
「あ!なぁなぁ!あっちで飯食い放題だって!」
「はぁ?!」
そういってマイペースに雅を引っ張っていく悟空。受け付けテントで受付をし、雅は両手を振り慌てている様子が見える。
「お守り…ですか」
「確かアレ、三蔵が渡した奴だろ?」
「…フン」
「罪作りな人ですねぇ、三蔵?」
「何がだ。要らねぇなら捨てろって俺は言ってある」
「でもあぁやって頑なに外さないし」
「お守りまで言われてますからね」
「…知るか」
「おぉい!!さんぞー!」
遠くから手を振る悟空と雅。三人の輪からでて向かうのは悟浄だった。
「ぼぉっとしてると、取られちゃいますよ?」
「ハッ…クク…悟空にか?」
「いいえ?さぁて、誰でしょうねぇ」
いつもの笑顔を見せながら八戒も悟空達の元へと向かった。入れ違いに雅が三蔵の元に戻ってくる。
「三蔵?体調悪い?」
「は?」
「元気ないみたいに見えて…」
「あいつ等と一緒にするな」
「もしかしてこぉ言うお祭り…苦手?」
「人混みは、な。」
そういうとシュンとする表情を見せた雅。しかしすぐに雅の頭にぽんっと手を乗せた三蔵は一歩踏み出していった。