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凜恋心【最遊記】

第54章 あなたの愛で繋いで


そうどこからともなく声がした。四人は振り返る扉の前にはいつのまにか観世音菩薩が二郎神を連れてやってきていた。

「全く…ただの人間だから仕方ねえか」
「あの…」
「何しにきやがった…今テメエの相手してなんざしてる暇、ねえんだよ」
「おい!お前!!口の聞き方がなっとらんぞ!」
「放っておけ、二郎神、こいつはいつもこうなんだよ」
「しかし観世音菩薩…」
「よぉ、久しぶりに会ったら死にかけか?雅」
「……」

意識が切れ欠けて反応がなくなった雅を見て菩薩は三蔵の前に立った。

「言ったよな?必死こいて守れよって。女一人守れねぇのか、テメエは」
「……うるせえよ…」
「でもまぁ、助けてやるよ、一回だけな。大サービスだ」
「冗談言ってんじゃ……ッッ」

言いかける三蔵の胸ぐらをグッと掴むと菩薩はにっと笑った。

「時間がねえ、雅生かしたいなら黙ってろ。あと、避けんなよ?助けたかったらな」
「何……ン…」

そう言い終わるが早いか菩薩の唇に言葉毎塞がれた三蔵。舌を絡めとり、十秒近くだろうか、唇が離されることはなかった。

「こんなもんか。…てか出来んだな、ディープキス」
「…ッッ…いい加減に…ッ?!」
「おい、そこの赤いの。コイツ支えてやってくれ。大量に血気吸わせて貰ったから動けねえから」
「何してやがる……」
「…黙ってろって。それと、オレの事恨むなよ?」

そういうと菩薩は八戒の膝の上に横たわる雅を預かり抱き抱えた。

「…もう少しアイツの光でいてやれよ。雅。お前しかいねえんだから…」

そう呟いて菩薩は雅の唇に押し当てる。そのまま反応のない雅の舌を弄ぶかの様に絡めとり、ふぅっと吹き込んだ。
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